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執筆者の写真takehiroshimizu

呼吸

James Nestorの"Breath"という本を読みました。Breathというタイトルの通り、呼吸について書かれています。著者が様々な呼吸法をリサーチして体験したものをまとめたもので、とても興味深い情報が数多く書かれていました。中でも鼻を閉じて口呼吸のみで10日間過ごした後、鼻呼吸を10日間する実験で、口呼吸の健康面における悪影響を身を持って体験した話が印象に残りました。口呼吸での生活の中で、彼のストレス関連ホルモンの数値が急上昇し、ジフテリア細菌が鼻の中で繁殖し、血圧と心拍数は上昇し、いびきをするようになり、睡眠時無呼吸症候群にもなり、代謝が悪くなり、思考力が低下するなど、他にも様々な健康面への影響があり、その10日間の実験後、鼻呼吸に戻すと、数値も戻り、いびきもなくなり、睡眠も十分に取れるようになり、代謝も良くなり、健康的な生活を送れるようになりました。

鼻呼吸の方法について少し考えてみたいと思います。

まず、唇を閉じることで鼻での呼吸になります。これは理解しやすいメカニズムだと思います。

次に、口を開いた状態でも鼻呼吸はできます。口に空気が送られずに鼻に空気が送られる状態になるには口に向かう空気を遮る必要があります。それがOral Seal(オーラルシール)です。


奥歯の奥あたりで、軟口蓋に舌の後ろ側が優しく幅を持って触れることによって、肺からの空気が口にではなく鼻に向かっていきます。

このオーラルシールのことについては、アレクサンダー教師のWalter Carringtonが "Thinking Aloud"の中の"Breath"という章で取り上げています。 その中で、口を少し開けた状態でも鼻呼吸ができること、顎を前後左右に動かしても鼻呼吸ができること、舌を出したり引いたり動かしても鼻呼吸ができること、顔の表情を変えてみたりしても鼻呼吸ができることが書かれています。人それぞれの習慣や癖があるので、簡単にできる人もいれば難しく思う人もいるかもしれません。

オーラルシールは鼻呼吸において重要な役割を担っています。それだけでなく、舌と軟口蓋は気づかずに必要以上に固めていたりすることがあります。

一度自分のオーラルシールがどのように働いているのか、観察してみると、きっと興味深い発見があるのではないでしょうか。

ではまた。



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